ペインクリニック(麻酔科)とは?
麻酔は、単純に「痛いところを痛くなくする」ということではないのです。
例えば、手術の際の全身麻酔では、血圧や呼吸状態を手術中チェックし続けなければなりません。その内容は、手術ごとに違います。
その手術がどういった内容で何を目的としているのか、そしてこの手順の先にどんな手順が待っているのかといった、先を見通していく知識や経験が必要です。
また、麻酔科の医者は、循環器、呼吸器など全身管理ができないことには麻酔をかけることができません。
人間の体全体を把握していなければ麻酔科の医者は務まらないのです。
そのようなことから、麻酔科は、厚生労働省から特別に許可を得た医者しか掲げることのできない、唯一の科となっています。
当院のペインクリニックは、麻酔科の医者だからこそできる高度なものとなっています。
他の医院では受けられない治療を行っております。遠くからは人吉市、荒尾市、苓北町のほか宮崎県からも患者さんが来られます。
※当院の治療は自費診療となります。
硬膜外ブロック
硬膜外ブロックとは
痛みを感じる身体の神経は、脊椎(わかりやすくいえば背骨)で守られた中にある脊髄に達し、脳へと繋がっているのです。
硬膜外ブロックとは、脊髄を一番外で覆っている硬膜の外側にある黄靭帯との間の空間へ、局所麻酔薬(当院に置いてはカルボカインやアナペイン)などの薬剤を注入し、部分的に(痛みの強い部分)神経をブロックさせたり治療薬を入れたりして脊髄神経の治療や興奮を抑え、痛みを和らげたり消していくものです。
強く痛みがある部分は、血管が収縮し血流が悪くなり神経への酸素や栄養分が供給しにくくなります。それがさらに神経のダメージを強めるのです。
硬膜外ブロックという手技は、痛みを和らげ、同時に神経への血流を改善させ、弱っている神経へ酸素や栄養、治療薬を与え、神経が治るのを助けていきます。
硬膜外ブロックが出来ない方
背中より処置をします。 背中に感染や炎症があったり、脊椎の変形が強い方、脊椎の手術を受けた方(手術位置では無いところからブロックします)、硬膜外ブロックを受けることが出来ない可能性がありますので 相談して下さい。
注射の方法
痛みの強い方が下になるように横になっていただき、オヘソをみるように海老のように丸くなっていただきます。
この体勢をとっていただくことが一番重要なのです。
その後、消毒を行い、特別に用意したとても細い針で局所麻酔を施し、硬膜外ブロック専用のTuohy針を刺します。
半身の衣服を出来る限り脱いでいただき、ベッド上で医師と反対側を向いて横向きになっていただきます。黄靭帯を切り硬膜の外の空間に針が届けば、局所麻酔薬や治療薬(個人にもよりますが、出身医局や経験により少しずつ違います、これが他院との決定的な違いかもしれません)を注入します。
どんな患者さんが受診されるか
以下のような疾患を持つ患者さんが多いです。
- 帯状疱疹後神経痛(PHS)
- 変形性脊椎症
- 頚部、胸部、腰部の椎間板ヘルニア
- 癌性疼痛、原因不明の疼痛
- 複合性局所疼痛症候群(CRPS) など
星状神経節ブロック
星状神経節ブロックとは
ヒトはストレスにさらされると交感神経が刺激され興奮して血管が収縮します。血管が収縮することで結果として血液の流れが悪くなり、様々な痛みや身体の不調があらわれます。
星状神経節とはわかりやすく説明すると、頚部にある交換神経の集まっているところです。
ここを局所麻酔薬により一時的にブロックすることで、神経を弛緩させることにより、結果として自然と血管を広げ、血流を増加させ、様々な症状を改善させていきます。
星状神経節ブロックとは、交感神経を一時的に麻痺させることで、人それぞれが本来持っている自己治癒力を高める治療法です。
もっと詳しく知りたい方へ説明しますと・・・
例えば、痛みやストレスなどの外的障害により、自律神経のひとつである「交感神経」が緊張します。その結果として、毛細血管は収縮して血行が悪くなってしまいます。これが、病気を治療するためには困ったことで、血行を改善しないと外的物質が滞ることとなり、病気は治りにくくなり、ましてはどんどん酷くなってしまいます。
その結果、自律神経のバランスが狂い、自律神経の失調を招いてしまう原因となります。この自律神経失調症が全ての諸悪の根源で、交感神経と副交感神経のバランスが悪くなることが、全ての病気の元となっていると私は考えています。ただの肩こりも免疫力の低下も、様々な病気が自律神経系のバランスの悪さが起因しているのではないかと思われます。
これらのことから、星状神経節ブロックは、交感神経の緊張を緩和し血行を良くする働きがありますから、これらの悪循環を断ち切ることができ治癒を促進するのです。
人には、脳の中に視床下部という大事な部分があります。正常な状態であれば、この視床下部内の中枢は身体の中の様々な情報を分析し、異常を感知すれば自律神経系、免疫系、内分泌系の3系統から体内の臓器や組織、細胞に向けて回復させるための命令を発信するのですが、不具合が生じていれば正常な状態に復すことが出来なくなり様々な障害が発生してくる訳です。
ちょっと話が難しくなってしまいましたか?
受診していただければ、話をもっとわかりやすく噛み砕いて丁寧にご説明致します。
当院は星状神経節ブロックにおいて、症例数は他施設と比べて群を抜いていると思います。
確かな知識と熟練した技術、繊細かつ用心深さが大切だと思っております。当院においては、勤務医時代からの長年の経験で注射器や針にも色々な工夫をしております。
また、レーザー治療器で同部位を照射して星状神経節ブロック治療と称している方や、もしくは医師ではない整骨院などの宣伝を目にしますが、これは医師が行う医療行為です。
レーザー治療器では効果がなく、麻酔学会やペインクリニック学会でも効果が疑問視されて星状神経節ブロックとは混同しないように言われておりますし、厚生労働省からもレーザー治療器による同部位の治療は星状神経節ブロックとは認められておらず金額は請求できないとされております。
無料でのサービスであれば結構なのでしょうが、これで星状神経節ブロックと請求されれば・・・架空請求ということになります。
ブロック注射の方法
ベッドに仰向けになって注射をしますが、注射の痛みは他の注射より痛くありません。 当院においては、特別注文で作った特殊な針を使用しておりますので、同じ治療を行っている他の医療機関よりも痛みは少ないと自負しております。
注射の後、一時的に下記のような現象が生じますが、それらは同ブロックが効果的であることを意味し、その後は消失します。 どちらも一時的な症状なのですが、だいたい約1時間前後で正常に戻ります。
その間、力仕事をしたり、飲食・車の運転などはお控え下さいませ。
- 顔から指先にかけて徐々に温かくなる
- 瞼が徐々に垂れてきて重くなり目が充血してくる
- 少しの間ふらついたりする
星状神経節ブロックは、効果発現まで人により様々です。
今までの経験上、遅い方でも30回目頃から症状改善傾向がみられます。
神経ブロックは局所の循環を改善し、痛みの悪循環を絶つことにより、痛みの起因物質を局所より除去し、組織を正常の状態に戻します。自律神経のブロックにおいては自律神経に対する種々のストレス刺激を除去し、緊張を解くことにより、循環系や免疫系に関する自律神経の働きを正常に戻します。
これにより痛みの改善だけでなく、治療が難しいと言われてきた病気の原因を除去することが可能です。
効果が期待できる症状
全身の200種類以上の症状に効果があると言われております。
「星状神経節ブロック療法」は、自身の自然治癒力を向上させることにより、治療が困難とされてきた病気への効果も期待できます。
全身 | 自立神経失調症、本態性高・低血圧、起立性調節障害、冷え性、脳卒中後遺症、不眠症、多発性硬化症、重症筋無力症、慢性関節リウマチ、シェーグレン症候群、全身性強皮症、バセドウ病、橋本病、潰瘍性大腸炎、ベーチェット病、帯状疱疹後神経痛、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症、痛風、慢性疲労症候群、甲状腺機能亢進・低下症 |
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頭部 | 片頭痛、緊張型頭痛、頸性頭痛、群発頭痛、側頭動脈炎、脳血管萎縮、頭部外傷後遺症 |
顔面 | 顔面神経麻痺、非定型顔面痛、顎関節症 |
頸肩上肢 | 頸肩上肢 |
腰下肢 | 腰下肢痛、変形性膝関節症、バージャー病、閉塞性動脈硬化症 |
循環器 | 狭心症、洞性頻脈、不整脈 |
呼吸器 | 慢性気管支炎、肺気腫、過換気症候群、気管支ぜんそく |
消化器 | 過敏性腸症候群、胃炎、肝炎、クローン病、消化性潰瘍、逆流性食道炎 |
産婦人科 | 月経困難症、更年期障害、子宮摘出後自立神経失調症、尿失禁 |
泌尿器科 | 神経性頻尿、インポテンス、尿失禁、ネフローゼ症候群、IgA腎症 |
皮膚科 | 全身多汗症、掌庶膿疱症、帯状疱疹、単純疱疹、天疱瘡、ケロイド、進行性指掌角化症 |
眼科 | 網膜血管閉塞症、網膜色素変性症、中心性網膜症、原田病、ぶどう膜炎、視神経炎、類嚢胞黄斑浮腫、角膜ヘルペス、角膜潰瘍、白内障、緑内障、アレルギー性結膜炎、瞳孔緊張症、飛蚊症、眼精疲労、ドライアイ、VDT症候群、屈折異常 |
耳鼻科 | 花粉症、アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、鼻茸、慢性副鼻腔炎、急性副鼻腔炎、術後性上顎嚢胞、突発性難聴、侵出性中耳炎、メニエール病、良性発作性頭位眩軍、鼻閉、扁桃炎、耳鳴り、咽喉頭異常感症、いびき、睡眠時無呼吸症候群 |